Piparkakku ピパルカック
フィンランドでジンジャークッキーは『ピパルカック』
フィンランド語で「pippuriピパリ」は「胡椒」、「Kukkiカック」は「クッキー」を表す言葉からの呼び名で、クッキー生地にシナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなどのスパイスを混ぜて薄く伸ばし、型で抜いて焼かれます。
北欧諸国定番のクリスマススイーツといえば、「ジンジャークッキー」ですが、フィンランドでは『ピパルカック』と呼ばれます。
フィンランド語で「pippuriピパリ」は「胡椒」、「Kukkiカック」は「クッキー」を表す言葉からの呼び名で、クッキー生地にシナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーなどのスパイスを混ぜて薄く伸ばし、型で抜いて焼かれます。
11月も半ばになると、お家をクリスマス仕様に飾りつけ、ピパルカックをたくさん焼いてクッキーボックスをいっぱいに満たしたら、アドベントの準備完了!クリスマスツリーで華やぎが増した暖かな部屋でロウソクを灯し、ホットワイン『Glögi グロッギ』とピパルカックを楽しみながらクリスマスを待つのが恒例です。
「1685年ドイツのハンザ同盟の商人によって2樽のジンジャーブレッドが当時の首都トゥルクに荷揚げされた」との記録が残されています。
ドイツの料理本も持ち込まれ、修道士や修道女、 裕福な家庭に使える料理人たちがレシピを習得して焼くことで、ジンジャーブレッドは次第に広まっていきました。当初はスパイスの薬効に期待するところが大きく、「教会のミサに参加する時には ジンジャークッキーを衣服のポケットに忍ばせおき、参列後に食べると感染症を回避できる…」といわれて真剣に実践されていたとか… 一般家庭で広く焼かれるようになったのは19世紀後半になってからのようです。
当初はスパイスの薬効に期待するところが大きく、「教会のミサに参加する時にはピパルカックを衣服のポケットに忍ばせおき、参列後に食べると感染症を回避できる。」といわれて真剣に実践されていたとか…
一般家庭で広く焼かれるようになったのは19世紀後半になってから。
抜き形もそれぞれ意味をもっており、「花の形」は豊穣や子孫繁栄といった豊かさの象徴とされ、昔も今も定番中の定番!そして「豚さん」…豚はゲルマン民族にとっての穀物の精であり、北欧神話の中でも豊穣や子孫繁栄の象徴ですから、幸せのシンボルとして不動の人気を保っています。さらに「ハート」は愛を、「星」は信仰を、「鳥」は精霊を現すとされ、盛んに用いられてきました。時代が進み、近年は宗教的な発想を離れた自由な型が好まれ、ムーミンやトナカイなどバラエティー豊かです。
こうした型抜きのピパルカックは古くからツリーにも飾られて、お部屋に甘くスパイシーな香りを漂わせ、ツリーに華やぎをそえてきました。
左2つの箱は市販のピパルカックです。花形の商品はメーカー品が多数販売され、1年を通じて楽しまれています。
Joulutorttu ヨウルトルットゥ
少なくとも1世紀前から存在し、ピパルカック と並ぶフィンランド伝統のクリスマスイーツです。真ん中にプルーンなどのジャムを置いて星型に焼くのが伝統で、「ヨウル(joulu)」は「クリスマス」、「トルットゥ(torttu)」は「タルト」を表す言葉からの呼び名で、実物の生地はタルトというよりパイやペストリー生地を使って作られます。
その成形法は、まるで紙をパイ生地に代えて作る風車!四角いパイ生地の中心に向かって切れ込みを入れ、内側に折って、…『星』の形にします。
形の由来はクリスマスツリーの頂上に輝く星「ツリートップスター」からといわれ、『ヨウルトルットゥ』の別名『tähtitorttuタハティトルットゥ』の「タハティ」が星を意味することからも、イエスキリストの生誕を祝う星をイメージしたクリスマス限定スィーツなのです。
『ピパルカック』や『ヨウルトルットゥ』を用意して、友人や職場の仲間が集うクリスマス会『ピックヨウル 』を頻繁に楽しむのも、寒くて暗い北欧の冬を明るく温かく過ごす素敵な慣習
ディナーは『豚肉のハム』や『北欧サーモン』、『人参や赤カブのキャセロール』などが並び、ホットワイン『Glögi グロッギ』からスパイスの香りが立ち上る食卓を家族で囲みます。
Riisipuuro リーシプーロ
白米を牛乳と水で炊き、仕上げにバターと砂糖を加えて作るお粥です。
温かいうちにシナモンパウダーをふったり、ベリーのソースをかけたり、とアレンジもさまざま。日常的にフィンランドの食卓にのぼり、デザートとしても食べられる一皿で、みんな大好き!丸くて甘味があるリーシプーロ用の白米も売られているこだわりようですが、オートミールでも作られます。
冷涼な気候のため、稲が栽培できない北欧では輸入される高価なお米を牛乳で炊いたミルク粥「リーシプーロ」はクリスマスの朝に食べるスペシャルメニューでしたが、お米の輸入量が増えるにつれ、日々の食卓にも上るようになって、今では子供からお年寄りまで人気の一皿になっています。
すっかりお馴染みメニューになったとはいえ、クリスマスの朝は素敵な趣向が待っていてくれる1年に1度のスペシャルタイム…!
外皮をむいたアーモンドを1粒入れてリーシプーロを炊いたら盛り分けて、「いただきます!」真っ白なミルク粥の中にアーモンドが1粒入っていた人は、来たる年に幸運がやってきて、願いが叶うといわれているのですから…スプーンを口に運ぶたびに、わくわくドキドキ…楽しいクリスマスの趣向です。
Tonttuにも一皿用意して…
クリスマスに忘れてはいけない大切なこと…
それはイブの夜 日頃お世話になっている妖精のTonttuトントゥにもリーシプーロを一皿 …納屋や戸口にお供えします。…こうしておけば、トントゥは来年もその家に居着いて一家を守り、幸運をもたらしてくれるのです。
お隣の国スウェーデンでもクリスマスイブの夜 妖精トムテに感謝の気持ちを込めてミルク粥をお供えします。イラストはそのスウェーデンで描かれたミルク粥と妖精さんなのですが、このミルク粥…ドイツで『Milch Riceミルヒライス』と呼ばれるデザートとほぼ同じもので、ジンジャークッキー同様『ミルヒライス』が北欧に伝わって、『リーシ・プーロ』として親しまれるようになっていった…そんな経過がみえてきます。
ただし、ドイツでは妖精にミルヒライスをお供えする慣習はありません。クリスマスイブの「リーシプーロ を召し上がれ」は妖精たちと共生している北欧で生まれた習慣です。
ヨウルトルットゥ レシピ
市販の冷凍パイシートでも簡単美味しく出来ますが、フードプロセッサーを使えばお手製パイ生地も簡単!…パイとクッキーの中間ぐらいの食感に焼きあがるレシピです。
《材料》
無塩バター 110g
クリームチーズ 110g
薄力粉 220g
ベーキングパウダー 小1
塩 小1/2
牛乳 大1
《作り方》
① バターを1.5cm角ほどのキューブ状に切り分けて冷蔵庫で冷やしておきます。
② 薄力粉と塩をフードプロセッサーに入れ、2~3回廻して均一にします。
③ クリームチーズを6等分ほどに切り分け②に入れ、冷やしておいたバターも加え、粉が粉チーズのようにしっとりサラサラになるまで廻します…
④ ③に牛乳も加えて廻します。
⑤生地を取り出し、ひとまとめにしてラップで包み、1晩~1日冷蔵庫において休ませます。
⑥生地を取り出し、打ち粉(強力粉:分量外)をした台の上で2~3mm厚に伸ばして正方形に成形し、端を真っ直ぐに、余分を切り落とします。
⑦ ⑥を9等分に切り分け、1ピースごと4ヶ所に切り込みを入れて中央にプルーンジャムをのせ、星型に… 切り落とした生地も成形して一緒に焼きましょう。
⑧ 200℃に予熱したオーブンで12分ほど焼きます。
オーブンから出して、冷めるのを待って、粉糖をふって出来上がり!
プルーンジャム レシピ
《材料》
プルーン(種無し)100g
粗製糖 20g
水 140ml
《作り方》
① プルーン、粗製糖、水を鍋に入れ、弱火で10分ほど柔らかくなるまで煮ます。
② スパチュラで果肉を解いて撹拌し、均一なペースト状にします。…バーミックスやフードプロセッサーを使うと早く、省力化できます。
《材料》
ドライプルーン 100g
水 450ml
砂糖 200g
レモン汁 大さじ2
《作り方》
① プルーンをみじん切りにします。
② 鍋に①と水を入れ、火にかけ、一煮立ちしたら火を止め、蓋をして30分おきましょう。
③ 砂糖とレモン汁を加え、軽く煮詰めて完成です!